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ドクターコメント

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10月18日のLarge-Scale Clinical Trials Late-Breaking and Clinical Up-dateで、日本人ハイリスク高血圧患者(4,728例)を対象に、我が国で繁用されている代表的な降圧薬ARB カンデサルタンとCa拮抗薬アムロジピンの予後に与える効果を比較した大規模臨床研究CASE-J(Candesartan Antihypertensive Survival Evaluation in Japan)の成績が報告された。

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荻原 俊男 先生

荻原 俊男 先生
大阪大学大学院医学系研究科
老年・腎臓内科学教授
CASE-J運営委員長

猿田 享男 先生

猿田 享男 先生
慶應義塾大学
名誉教授
CASE-J研究代表者

中尾 一和 先生 中尾 一和 先生
京都大学大学院医学研究科
内科学講座臨床病態医科学・
内分泌代謝内科教授
京都大学EBM共同研究センター長
CASE-J研究責任者

まずCASE-Jで特記すべき点は、カンデサルタン群、アムロジピン群ともに十分な血圧コントロールが得られた点です。降圧薬として両薬剤がどちらも非常に優れていることが確認できました。 また、カンデサルタン群において糖尿病新規発症の有意な抑制というエビデンスも得られました。今後、糖尿病新規発症抑制を大きな目標として、肥満例や耐糖能異常例はもちろん、特にメタボリックシンドローム症例ではカンデサルタンの積極的投与が必要と思われます。心肥大、心疾患、腎機能低下例では腎保護効果が立証されたカンデサルタンによる治療が極めて有用です。特に高齢者では腎保護効果が期待できますので、腎機能の悪化が危惧される高齢者ではカンデサルタンを積極的に使うべきでしょう。 今回CASE-Jで得られた日本人のエビデンスは、次回のJSHガイドライン改訂に盛り込まれる可能性が強いと考えられ、ご協力いただいた多くの先生方に御礼を申し上げます。

我々が考えていた通り、アムロジピンはわずかですが降圧効果に優れる、カンデサルタンは組織のレニン・アンジオテンシン(RA)系を抑えて臓器保護効果に優れるというエビデンスが得られました。イベント抑制は、統計的有意差はありませんでしたが、試験前半は降圧効果が効いたためかアムロジピン群が優れた傾向であり、試験後半はRA系阻害によるpleiotropic effectが効いて降圧差があってもカンデサルタン群が優れた傾向でありました。このpleiotropic effectは、糖尿病や肥満という代謝性疾患に対するカンデサルタン群の良好なデータにも繋がりました。

私がCASE-J試験で是非ともご紹介したい点は、カンデサルタンが特にBMIが25s/u以上の肥満を伴うハイリスク高血圧患者さんで素晴らしい効果を示したことです。カンデサルタンは糖尿病の新規発症を全体で有意に抑制しましたが(抑制率36%)、特にBMI25s/u以上で47%、27.5s/u以上で62%と、実に驚くべき抑制効果を示しています。さらに、BMI27.5s/u以上の群では、全死亡も有意に抑制しています(抑制率49%)。カンデサルタンの糖尿病新規発症抑制と全死亡の抑制には、同じ機序が関与している可能性があり、非常に興味深い点だと思います。

→荻原先生、猿田先生、中尾先生のCASE-J発表前コメントはこちら→

Expert Meeting

高齢者,肥満・糖尿病合併例の急増など、
わが国の高血圧症患者の病態は大きく変化している今、
日本人独自のエビデンスが求められている。
その答えが国内最大級の大規模臨床試験、
CASE-Jで明らかにされる。中心的役割を担う、
猿田享男氏,荻原俊男氏、中尾一和氏で、
CASE-Jについて語っていただいた。
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猿田享男氏,荻原俊男氏、中尾一和氏
CASE-J座談会資料
CASE-J